1.目的 |
化学工学が関与するバイオ関連分野の学会代表として、当該研究分野に関する知識の交換、情報の提供などを行う場となることにより、当該研究分野のさらなる進歩普及を図り、もって国内外の学術の発展と産業の発展に寄与することを目的とする。 |
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2.目標(最終) |
バイオ部会は、化学工学・生物化学工学という基盤の上に確固たる独自の学術体系と活動理念を築いて関連学会をリードし、新産業創生・育成の示唆をし、活動成果を社会に還元するとともに生物化学工学者のさらなるプレステジの向上を目指している。これを以下に示す目標の達成を通じて実現する。 |
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1) |
会員が切磋琢磨する場の提供、会員への情報サービス、国際会議開催などを通じて、日本で最大・唯一の生物化学工学者のコミュニティーを目指す。 |
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2) |
支部や他部会、さらには関連学会などとの連携による産業や社会に対する情報発信・広報活動やプロジェクトの評価、会員の国際活動支援、生物化学工学啓蒙活動などを通じて、生物化学工学のプレゼンスを顕著にすることにより、専門家集団としての生物化学工学者のプレステジをさらに高めることを目指す。
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3) |
バイオ産業基盤技術発展への貢献と産官学連携による新しい産業の創出を通じて、快適な生活と健康の増進に寄与し、人類社会に貢献することを目指す。
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4) |
生物化学工学の新体系化、教育活動支援などを通じて生物化学工学分野の人材育成と技術継承を目指す。
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3.背景 |
二十世紀のテクノロジーは、人類が生活をするために必用な衣食住の保証を目指した。二十一世紀のそれは「人類が健康で快適な生活を営むために有用でかつ社会に受け入れられる技術」の提供を目指すべく脱皮しなければならない。ヒトゲノムDNAや各種の微生物ゲノムDNAの塩基配列の解析が終了し、これに基づく遺伝子診断やゲノム創薬、テーラーメード医療、再生医療、バイオインフォマティクス、システムバイオロジーなどの新しいバイオテクノロジーの技術基盤が構築されつつある。また、資源循環型社会の実現のために、バイオテクノロジーを用いて生分解性廃棄物を資源化し、化学原料・再生可能エネルギーとして利用するための新奇な生体触媒の開発やプロセスの開発も行われている。このように、バイオテクノロジーは二十一世紀を支える重要な基幹技術の一つと考えられ、そのカバーする領域は大きく広がりつつあり、日本農芸化学会、日本薬学会、日本生物工学会、日本化学会バイオテクノロジー部門、環境バイオテクノロジー学会など多くの学会がバイオテクノロジーをキーワードとする活動を行っている。化学工学会バイオ部会は化学工学および生物化学工学の視点から「問題解決型方法論」を武器とした独自の活動により、以下の6つの分野において21世紀のバイオテクノロジーの発展を担うとともに、これを体系化し教育活動に反映させていくことを目指している。 |
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1) |
生物プロセス分野 |
2) |
生物分離分野 |
3) |
メディカル分野 |
4) |
生物情報分野 |
5) |
環境生物分野 |
6) |
食糧・食品生産分野 |
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バイオ部会が当面対象とする上記の分野はいずれもバイオテクノロジーが明確に関連するものの、バイオテクノロジーだけで答えに到達できる分野はほとんどない。化学工学を含むさらに広い分野との連携が不可欠になっている。このための総括的支援がバイオ部会の重要な役割である。この認識の下に、分子レベルで生体分子の構造や機能の解析を目指す関連分野はもちろんのこと、その応用を目指す他学会などとの連携を積極的に進めることによって、また、小さな研究会がもつ制約を超えて、大きな自由度の下に、各種の魅力ある企画とメンバーの積極的な参加によって化学工学のバイオ関連分野を発展させることがバイオ部会設立の背景である。 |
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4.目標達成のためのアクションプラン |
4つの最終目標を達成するために、それぞれ以下に示すアクションプランを3〜5年間で実行していく。 |
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1)
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日本で最大・唯一の生物化学工学者のコミュニティーの形成 |
◇
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会員が切磋琢磨する場の提供 |
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・ 秋季大会における企画シンポジウムの充実と学生ポスター発表会の常設
・ バイオ部会と他学会関連部会との合同企画シンポジウムの開催
・ 産官学合同企画シンポジウムの開催
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◇
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会員への情報サービス |
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・ 部会ホームページの充実(部会として発信してきた情報の整理・蓄積、会員のホームページへのリンクの作成)
・ ニュースレターの電子化
・ 会員メーリングリストの整備と情報のメール配信
・ 定期的な見学講演会の開催
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◇
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日常的な会員同士の情報交換(交流)の場の提供 |
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・ 気軽に問い合わせや意見交換ができるメーリングリストの作成
・ 電子掲示板(情報提供板)の設置
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2)
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生物化学工学のプレゼンスの顕著化と生物化学工学者のプレステジ向上 |
◇ |
産業や社会に対する情報発信・広報活動 |
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・ バイオ技術に関わる諸事項の積極的なサービスや評価、提言
・ ワークショップやシンポジウムの開催と基準、制度などの提言
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◇ |
プロジェクト評価への積極的参加 |
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・ 各種研究開発プロジェクト等における評価委員、審査委員の推薦 |
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◇ |
各種受賞候補者の推薦 |
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・ 化学工学会学会賞、奨励賞候補者の部会推薦 |
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◇ |
会員の国際活動支援 |
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・ 各専門分野分科会による国際シンポジウム開催支援
・ YABEC(Young Asian Biochemical Engineers Community)の開催支援
・ APBioChEC(Asia Pacific Biochemical Engineering Conference)の開催支援
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◇ |
生物化学工学啓蒙活動 |
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・ 中高生や学校教員を対象とした「生物化学工学」に関するやさしい実験・講演会、セミナーの学会、支部等との共催
・ 他学会の年会等でのバイオ部会企画ワークショップやシンポジウムの共催
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3) |
バイオ産業基盤技術発展への貢献と産官学連携による新しい産業の創出 |
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◇ |
バイオ産業の基盤技術発展に貢献する新しい研究・技術領域のコンセプト創成とプロジェクト提案
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・ 他学会、産業界との連携による新しい研究・技術領域のコンセプト創成とプロジェクト提案 |
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◇ |
産官学連携プロジェクトの提案・推進 |
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・ 各専門分野分科会における先導的な研究課題、技術開発課題の明確化と、これに基づく科研費特定領域、振興調整費、NEDOプロジェクトなどへの産学官連携による部会主導プロジェクト提案と推進 |
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◇ |
バイオ事業化道場・バイオ事業化懇談会 |
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・ 産業側のニーズと学側のシーズの相互発信とマッチングのためのクローズドな場の提供
・ 年会、秋季大会、支部大会等での産学連携を前提としたシーズ発表特別セッションの開催
・ 中小企業等からの研究相談窓口の開設
・ バイオ部会会員の研究成果に基づく大学発ベンチャーの創成と外部資金獲得のサポート
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4) |
人材育成と技術継承 |
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◇ |
生物化学工学の新体系化 |
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・ 現在のバイオテクノロジーがカバーする領域の拡大に合わせた、新たな生物化学工学の体系化
・ 体系化に基づく教科書、刊行物の出版
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◇ |
教育活動支援 |
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・ 教育プログラム認定(生物工学分野)の支援
・ 支部、人材育成センターとの共催によるバイオ関連理科教育、生涯教育の支援とバイオ技術
・ 生物化学工学講習会・講演会の開催
・ 生物化学工学分野の技術開発の歴史に関する学生、若手研究者向けの教育講演会の年会、秋季大会、支部大会等での開催
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◇ |
バイオ生産技術コンペ |
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・ バイオ生産技術や分離精製技術を競う催し物の企画、開催 |
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◇ |
バイオ技術者養成の支援 |
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・ バイオ技術者養成プログラムの企画、提案、実施
・ 草の根教育(大学の生物化学工学関連研究室で、研究室が得意とするバイオ分野の技術のノウハウを学生会員、企業会員に伝授する。化学工学的・生物化学工学的な概念構築法、研究の方法論などについて若手研究者や学生に対して教育する。)
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5.化学工学会における位置づけ(役割) |
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化学工学が関与するバイオ関連分野の学会代表として、現在のバイオテクノロジーがカバーする領域の拡大に合わせた新たな生物化学工学の体系化を行う。 |
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・ |
部会が提供するバイオ関連分野の産学官連携の場と機会を通じて、新規の化学工学会会員の開拓と会員数の増強に寄与する。 |
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・ |
部会からの提案に基づく受託プロジェクトを推進することにより、学会の財政的基盤強化に貢献する。 |
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・ |
他部会、関連分野の他学会や人材育成センター、支部、懇話会等との連携のもと、部会や関連学会をまたがるバイオ関連共同シンポジウム、国際会議の開催や、バイオ技術・生物化学工学関連の講演会・講習会の企画運営、人材育成プログラムの支援を行うことにより、化学工学会のプレゼンスを示すとともに生物化学工学関連分野の人材育成と技術継承に関する責務を果たす。 |
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6.実現のための課題 |
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部会運営のための財政基盤の確立 |
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企業会員の部会活動への積極的参加 |
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部会活動の中での産官学連携の場の構築 |
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会員ニーズの把握のための仕組み作り |
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7.運営体制(平成12年度 部会スタート時) |
部会長:1名 |
副部会長:4名(庶務・経理担当、企画担当、広報担当、国際交流担当各1名) |
監事:2名 |
幹事:29名 |
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専門分野分科会担当 |
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1)生物プロセス分野 (代表幹事:1名、幹事:5名、計6名)
2)生物分離分野 (代表幹事:1名、幹事:5名、計6名)
3)メディカル分野 (代表幹事:1名、幹事:6名、計7名)
4)生物情報分野 (代表幹事:1名、幹事:1名、計2名)
5)環境生物分野 (代表幹事:1名、幹事:5名、計6名)
6)食糧・食品生産分野 (代表幹事:1名、幹事:1名、計2名)
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地区交流会担当(専門分野分科会担当と兼任) |
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1)北海道・東北・関東地区 (幹事:1名)
2)関西・東海地区 (幹事:1名)
3)中四国・九州地区 (幹事:1名)
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